第一集 東海道篇

36 天下の旗は徳川に

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 三六 天下の旗は徳川に 歸せしいくさの關ヶ原 草むす屍いまもなほ 吹くか膽吹の山おろし

35 父やしないし養老の

ご乗車ありがとうございます 鐵道唱歌 東海道 三五 父やしなひし養老の 瀧は今なほ大垣を 三里へだてゝ流れたり 孝子の名譽ともろともに

34 名たかき金の鯱は

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます 鐵道唱歌 東海道 三四 名たかき金の鯱は 名古屋の城の光なり 地震のはなしまだ消えぬ 岐阜の鵜飼も見てゆかん

33 めぐみ熱田の御やしろは

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 三三 めぐみ熱田の御やしろは 三種の神器の一つなる その草薙の神つるぎ あふげや同胞四千萬

32 鳴海しぼりの産地なる

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます 鐵道唱歌 東海道 三二 鳴海しぼりの産地なる 鳴海に近き大高を 下りておよそ一里半 ゆけば昔の桶狭間

31 見よや徳川家康の

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 三一 見よや徳川家康の おこりし土地の岡崎を 矢矧の橋に殘れるは 藤吉郎のものがたり

30 豊橋おりて乗る汽車は

ご乗車ありがとうございます 鐵道唱歌 東海道 三〇 豐橋おりて乘る滊車は これぞ豐川稻荷道 東海道にてすぐれたる うみのながめは蒲郡

29 右は入海しずかにて

ご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二九 右は入海しづかにて 空には富士の雪しろし 左は遠州洋ちかく 山なす波ぞ砕けちる

28 煙を水に横たえて

いつも「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二八 煙を水に横たへて わたる濱名の橋の上 たもと涼しく吹く風に 夏ものこらずなりにけり

27 琴ひく風の浜松も

ご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二七 琴ひく風の濱松も 菜種に蝶の舞坂も 後ろに走る愉快さを うたふか磯の波のこゑ

26 この水上にありと聞く

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二六 この水上にありと聞く 諏訪の湖水の冬げしき 雪と氷の懸橋を わたるは神か里人か

25 掛川袋井中泉

ご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二五 掛川袋井中泉 いつしかあとに早なりて さかまき來る天龍の 川瀬の波に雪ぞちる

24 いつしか又も闇となる

ご乗車ありがとうございます。 いつしか又も闇となる 世界は闇かトン子ルか 小夜の中山夜泣石 問へども知らぬよその空

23 春さく花の藤枝も

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二三 春さく花の藤枝も すぎて島田の大井川 むかしは人を肩にのせ わたりし話も夢のあと

22 鞘より抜けておのずから

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 二二 鞘より拔けておのづから 草なぎはらいし御劍の 御威は千代に燃ゆる火の 燒津の原はこゝなれや

21 駿州一の大都会

ご乗車ありがとうございます 鐵道唱歌 東海道 二一 駿州一の大都會 靜岡いでゝ阿部川を わたればこゝぞ宇津の谷の 山きりぬきし洞の道

20 三保の松原田子の浦

ご乗車ありがとうございます 鐵道唱歌 東海道 二〇 三保の松原田子の浦 さかさにうつる富士の嶺を 波にながむる舟人は 夏も冬とや思ふらん

19 世に名も高き興津鯛

ご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 十九 世に名も高き沖津鯛 鐘の音ひゞく清見寺 清水につゞく江尻より ゆけば程なき久能山

18 鳥の羽音に驚きし

ご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 十八 鳥の羽音に驚きし 平家の話は昔にて 今は滊車行く富士川を 下るは身延の歸り船

17 沼津の海に聞こえたる

ご乗車ありがとうございます 鐵道唱歌 東海道線 十七 沼津の海に聞こえたる 里は牛伏我入道 春は花咲く桃のころ 夏はすゞしき海のそば

16 三島は近年ひらけたる

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車いただきありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 十六 三島は近年ひらけたる 豆相線路のわかれみち 驛には此地の名を得たる 官幣大社の宮居あり

15 ここぞ御殿場夏ならば

ご乗車ありがとうございます。 鐵道唱歌 東海道 十五 こゝぞ御殿場夏ならば われも登山をこゝろみん 高さは一萬數千尺 十三州もたゞ一目

14 はるかにみえし富士の嶺は

ご乗車ありがとうございます。次は御殿場です。 鉄道唱歌 東海道 十四 はるかにみえし富士の嶺は はや我そばに來りたり 雪の冠雲の帶 いつもけだかき姿にて

13 いでてはくぐるトンネルの

ご乗車ありがとうございます。 つぎは山北です。山北の次は駿河小山に停まります。 鐵道唱歌 東海道 一三 いでゝはくゞるトン子ルの 前後は山北小山驛 今もわすれぬ鐵橋の 下ゆく水のおもしろさ

12 国府津おるれば馬車ありて

毎度ご乗車ありがとうございます。次は国府津です。 鐵道唱歌 東海道 十二 國府津おるれば馬車ありて 酒匂小田原とほからず 箱根八里の山道も あれ見よ雲の間より

11 支線をあとに

ご乗車ありがとうございます。 支線をあとに立ちかへり わたる相模の馬入川 海水浴に名を得たる 大磯みえて波すゞし

10 汽車より逗子を

ご乗車ありがとうございます。次は逗子です。逗子の次は横須賀に停まります。 鐵道唱歌 東海道 一〇 滊車より逗子をながめつゝ はや横須賀に着きにけり 見よやドツクに集まりし わが軍艦の壯大を

9 北は円覚建長寺

ご乗車ありがとうございます。ただいま鎌倉です。 鐵道唱歌 東海道 九 北は圓覺建長寺 南は大佛星月夜 片瀬腰越江の島も たゞ半日の道ぞかし

8 こゝに開きし頼朝が

ご乗車ありがとうございます。ただいま鎌倉です。 鐵道唱歌 東海道 八 こゝに開きし頼朝が 幕府のあとは何かたぞ 松風さむく日は暮れて こたへぬ石碑は苔あをし

7 八幡宮の石段に

ご乗車ありがとうございます。間もなく鎌倉に到着いたします。 鐵道唱歌 東海道 七 八幡宮の石段に 立てる一木の大鴨脚樹 別當公曉のかくれしと 歴史にあるは此蔭よ