59 つかれてあびる武雄の湯

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。

 

鐵道唱歌 山陽、九州 五九

 

つかれてあびる武雄の湯

みやげにするは有田燒

めぐる車輪の早岐より

右にわかるゝ佐世保

 

 

つかれてあびるたけをのゆ

みやげにするはありたやき

めぐるしやりんのはやきより

みぎにわかるゝさせぼみち

 

現在、長崎本線肥前山口から肥前鹿島を経由し有明海沿いに進んでいきます。しかしこれが長崎へのメインルートとなったのは昭和9年のことです。

それまでは肥前山口から武雄(現在の武雄温泉)~有田~早岐~大村~諫早と、すなわち現在の佐世保線大村線を経由していくのが長崎に至るルートでした。

 

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肥前山口駅で長崎方面と佐世保方面に分割される列車・平成29年7月撮影≫

 

 

武雄温泉は神功皇后朝鮮出兵から帰国の際、杖で岩をつくと湯が噴き出したという伝説が残ります。肥前国風土記にも記述がある歴史の古い温泉です。

大正4年完成の楼門は武雄温泉のシンボルとなっており、楼門内の武雄温泉新館ともに辰野金吾の作品です。辰野金吾は東京駅丸の内駅舎を設計したことでも知られています。

 

有田焼は佐賀県成田市を中心に生産されています。豊臣秀吉朝鮮出兵の際、佐賀藩初代藩主鍋島直茂によって連れてこられた陶工の李参平によってはじめられました。

毎年(近年は武漢肺炎の影響で中止になってますが)、4~5月の連休中には有田陶器市が開かれ、大勢の観光客でにぎわいます

 

 

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 ≪武雄温泉楼門≫

 

歌詞には「はやき」とルビがふってありますが、実際は「はいき」です。九州に来るとこういった間違いが目立ちます。

 

現在は肥前山口早岐佐世保間が「佐世保線」となっています。しかし前述の通り、かつては早岐から大村・諫早へ向かう方向が本線で、早岐佐世保間が支線でした。こういった経緯により早岐駅スイッチバック駅となっており、佐世保へ行く列車は早岐で進行方向が変わります。

 

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早岐駅

 

 
 

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