61 南の風をハエと読む

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。

 

鐵道唱歌 山陽、九州 六一

 

南の風をハエと讀む

南風崎すぎて川棚の

次は彼杵か松原の

松ふく風ものどかにて

 

 

みなみのかぜをハエとよむ

はえざきすぎてかはだなの

つぎはそのきかまつばらの

まつふくかぜものどかにて

 

今まで申し上げてきたごとく、「南風崎」ははえざきではなく「はえのさき」、「川棚」はかわだなではなく「かわたな」、「彼杵」はそのきではなく「そのぎ」です。こういった間違いが九州では目立ちます。

鐵道唱歌が出版された明治33年から現在までの間に読み方の変更があったのか・・とも思いましたが、調べてみてもそういった情報は見当たりませんでした。

 

それはともかく、ここからしばらくの間、沿線観光地のネタがないのか、駅名の語呂合わせが続きます。

 

 

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大村線車窓・ハウステンボス

 

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南風崎駅

 

南風崎(はえのさき)駅。

歌詞にある通り、難読駅として知られています。

 

また、鉄道唱歌が出版された明治33年には知る由もなかったでしょうが、この駅は大東亜戦争後の引揚・復員を語るうえで外せない駅であります。

 佐世保市の浦頭港に上陸した外地からの引き揚げ者は、検疫を受けた後、約7kmを徒歩で移動し、現在のハウステンボスの地にあった引き上げ援護局でしばらく待機しました。

 

その後、南風崎駅から列車に乗って故郷に帰っていきました。当時は「南風崎発・東京行き」という列車も設定されていたそうです。 

 

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大村線車窓・大村湾

 

 
 

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ちんぜいいちの  みぎにながむる

 
 

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