第五集 関西・参宮・南海篇

55 北口いでて走りゆく

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 五五 北口いでて走りゆく 南海線の道すがら 窓に親しむ朝風の 深日はこゝよ夢のまに

54  みかえる跡に立ちのこる

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。 ただいま和歌山です。間もなく発車いたします。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 五四 みかへる跡に立ちのこる 城の天守の白壁は 茂れる松の木の間より いつまで吾を送るらん

53 密柑の出づる有田村

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま和歌山です 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 五三 密柑のいづる有田村 鐘の名ひゞく道成寺 紀州名所は多けれど 道の遠きを如何にせん

52 蘆辺のあしの夕風に

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま和歌山です 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 五二 蘆邊のあしの夕風に 散り來る露の玉津島 苫が島には燈臺の 光ぞ夜は美しき

51 紀三井寺より見わたせば

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま和歌山です 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 五一 紀三井寺より見わたせば 和歌の浦波しづかにて こぎゆく海士の釣船は うかぶ木の葉か笹の葉か

50 紀の川口の和歌山は

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。ただいま和歌山です。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 五〇 紀の川口の和歌山は 南海一の都會にて 宮は日前國懸 旅の心の名草山

49 親のめぐみの粉河より

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。間もなく和歌山です。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四九 親のめぐみの粉河より 又乘る滊車は紀和の線 船戶田井の瀬うちすぎて 和歌山みえし嬉しさよ

48 夕べ悲しき梟の

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。ただいま橋本です。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四八 夕べ悲しき梟の 聲より猶も身にしむは 如意輪堂の寶藏に のこる鏃の文字の跡

47 あわれ暫は南朝の

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。ただいま橋本です 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四七 あはれ暫は南朝の 假の皇居となりたりし 吉水院の月のかげ 曇るか今も夜な╱╲は

46 ふたたび渡る紀の川の

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま橋本です 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四六 ふたゝび渡る紀の川の 水上とほく雲ならで 立てるは花の吉野山 見て來んものを春ならば

45 木隠おぐらき不動坂

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四五 木隱をぐらき不動坂 夕露しげき女人堂 みれば心もおのづから 塵の浮世を離れけり

44 弘法大師この山を

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。ただいま橋本です 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四四 弘法大師この山を ひらきしよりは千餘年 蜩ひびく骨堂の あたりは夏も風さむし

43 瞬く暇に橋本と

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 間もなく橋本です。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四三 瞬くひまに橋本と 呌ぶ驛夫に道とへば 紀の川わたり九度山を すぎて三里ぞ高野まで

42 終れば起こる鉄道の

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四二 終れば起る鐵道の 南和と紀和の繫口 五條すぐれば隅田より 紀伊の境に入りにけり

41 新庄御所を打ちすぎて

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四一 新庄御所を打ちすぎて 掖上ゆけば神武帝 國を蜻蛉と宣ひし 嗛間の丘ぞ仰がるゝ

40 右の窓よりながめやる

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 四十 右の窓よりながめやる 葛城山の南には 楠氏の城に名を擧げし 金剛山もつゞきたり

39 高田わかれて右ゆけば

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三九 高田わかれて右ゆけば 河内に走る線路あり 路にすぎゆく柏原の 名高き寺は道明寺

38 畝傍の麓橿原に

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます。 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三八 畝傍の麓橿原に 始めて都したまひし 御威も高き大君が 御陵をがめ人々を

37 桜井いでてわが汽車は

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三七 櫻井いでてわが滊車は 畝傍耳成香山の 鼎に似たる三山を 前後に見つゝ今ぞゆく

36 さぐる名所の楽しさに

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三六 さぐる名所の樂しさに 思はずのぼる多武の峰 峰にかがやく鎌足の 社のあたり花おほし

35 初瀬列樹の宮のあと

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三五 初瀨列樹の宮のあと 問はんとすれば日は落ちて 初瀨の川の夕波に ふくや初瀨の山おろし

34 ここよりおりて程ちかき

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三四 こゝよりおりて程ちかき 長谷の觀音ふし拜み 雄略帝が朝倉の 宮の遺跡もたづねみん

33 三輪の杉むら過ぎがてに

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三三 三輪の杉むら過ぎがてに なくか昔のほとゝぎす 今は靑葉の櫻井に 着きたる滊車の速かさ

32 都のあとを教えよと

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三二 都のあとを教へよと いへど答へぬ賤の男が 歸るそなたの丹波市 布留の社に道ちかし

31 はや遠ざかる奈良の町

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます 鐵道唱歌 關西 參宮 南海各線 三一 はや遠ざかる奈良の町 帶解寺も打ちすぎて 渡るながれは布留の川 石の上とはここなれや

奈良めぐり 8

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま奈良です。間もなく発車いたします。 奈良めぐり(八) なごり殘して別れゆく 奈良の土産は何々ぞ 奈良人形に春日塗 張子の鹿に奈良扇

奈良めぐり 7

本日も鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま奈良です 奈良めぐり(七) 北にめぐれば佐保山に 見ゆる御陵は聖武帝 をがむ袂の露けきは 草も昔をしのぶらん

奈良めぐり 6

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま奈良です 奈良めぐり(六) 建築ふるき法隆寺 紅葉そめなす龍田山 散歩がてらに片道を 乘りたる滊車は半時間

奈良めぐり 5

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま奈良です 奈良めぐり(五) 西は法華寺西大寺 都の夢はやぶれたる 旅の枕に秋篠の 里の砧もひゞくなり

奈良めぐり 4

本日も「鉄道唱歌の話」にご乗車くださいましてありがとうございます ただいま奈良です 奈良めぐり(四) 世に名も高き大佛の 光を仰ぐ東大寺 傘さしてぬけらるゝ 佛の鼻の大きさよ